電子制御エンジン 故障診断の決め手
その11
故障修理のポイント
速決診断(クイック・メニュー)を提案します。

 故障車について、速決診断を進める手順です。     

1.自己診断の実施   正常コード
                異常コード(異常コードの系統について点検を行う。

2.正常コードの時    @エンジン始動不良
                Aエンスト
                Bアイドル回転不良
                C加速不良
                D出力不足
               
3.異常コードの時    @自己診断装置のメモリーの消去
                A再度自己診断を行い、同一の異常コードが発生すれば、
                 現在もその系統に不具合がある。
                 再度自己診断を行い、同一の異常コードがなくなる時は、
                 一過性の故障がある。

4.メモリの消去方法   @診断器及び指定の消去操作によりメモリを消去する。
                 A上記操作が出来ないときは、バッテリー電源を切る等して
                  ECUのメモリを消去する。(車両により消去出来ない場合がある)

5.自己診断出来ない  @チェック・ランプ(警告灯)が点灯しているが、自己診断が出来ない時は
                 4.メモリの消去方法により、一旦消去操作を行い、再度ランプ(警告灯)が
                 点灯するかを確認する。
                Aチェック・ランプ(警告灯)が点灯している時の、エンジン状態により
                 故障部位を判断する。
                 点灯時に不具合兆候がある。(エンジン制御に重要なセンサの故障)
                 点灯時に不具合兆候がない。(制御に関わりの少ないセンサの故障)
                B一旦消去操作を行い、再度ランプ(警告灯)が点灯しない時は、一過性
                 の故障であり、次の故障発生を見極めて対処する。
正常
コードの時
@エンジン始動不良 スタータが正常回転しても始動しない時は、
火花強さ、噴射信号、燃料圧力の点検を行う。
Aエンスト すぐに始動できない−−@と同じ点検実施+制御系の点検
すぐに始動できる−−−Bと同じ点検実施+制御系の点検
Bアイドル回転不良 ファーストアイドルきかない
回転数が高い、又は低い(アイドル制御不能)
回転数が規則的に変動する(ハンチング現象)
回転数が不規則に変動する(バラツキ現象)
C加速不良 低中速時の息付き。
高速時の息付き(出力不足)
D出力不足 空燃比が薄い状態である。
圧縮圧力低下。
ABCD エンジン内部のカーボンによる汚れが原因の時もある。
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