電子制御エンジン 故障診断の決め手
その4
故障診断の手順

エンジンが始動しない時は、次の点検を実施して下さい。

1.自己診断装置
(故障コードの読みとり)
  FAINESを参照
1回目 2回目(消去後) 1回目のコードは、過去故障又は現在故障のいずれかである。
コード消去後の2回目に故障コードがあれば、現在も故障しています。
 (      )  (       )

2.基本作動項目の点検(エンジンが始動しない時の点検)
回転信号系とはクランク角センサ、ピックアップ・センサなどのクランク角度検出装置及び基準位置検出装置です。
負荷信号系とはエア・フロ・メータ、バキューム・センサなどの吸入空気量を検出する装置です。
回転信号系の故障は、エンジンが始動しなくなりますが、負荷信号系の故障は始動しにくいなどになるが、始動できないことは少ないと思われる。
火花の状態 インジェクタの作動状態 不具合箇所
○(出  る) ○(信号あり) 回転信号系は正常
エンジンが始動しないのは、燃料系故障の確率高い
○(出  る) ×(信号なし) インジェクタの電源系、ECUのインジェクタ駆動回路の故障
×(出ない) ○(信号あり) 点火装置(コイル、イグナイタ、パワトラ)の故障、ECUの点火装置駆動回路の故障(欧州車パワ・トラ内蔵タイプに多い)

※車種により点火確認信号をECUにフィード・バックしているタイプは、点火ミスしていることを認識するとインジェクタの作動を止めるので注意する。(トヨタ車などで、最初はインジェクタが作動している様だが、長くクランキングしていると作動しなくなる)
×(出ない) ×(信号なし) 回転信号系の故障、又はECU不良
3.基本点検項目の点検  【 電  イン  燃  点  火  アイ  空 】
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