電子制御エンジン 故障診断の決め手
その12
エア・フロー・メータの点検整備
  
 エア・フロー・メータとは、どんな働きをするのでしょうか。
 
 基本的な燃料噴射量の決定は  @エンジン負荷
                        Aエンジン回転数 となります。
 エンジン負荷を検出するものとして、
    @エア・フロー・メータ
    Aバキューム・センサ(メーカにより圧力センサ又はMAPセンサと呼ぶ)があります。

 この2種類のセンサは
空燃比に大きく影響し、エンジンの調子を左右します。
 不具合の症状として、
    @アイドル不安定(希薄空燃比、又は空燃比変動)
    Aエンスト(空燃比変動)
    B加速不良(希薄空燃比)
    C出力不足(希薄空燃比)
    D黒煙が出る(過濃空燃比)
 などの、多くのトラブル現象を起こします。
 結果としては、混合気が薄いか、濃いか、と変動するか(出力が乱れる)である。

 故障の多い部品なのに、点検方法を知らない整備士が以外に多いのは残念である。
 (安易に部品交換をしてしまい、ジックリと故障原因を探求せずに済ましてしまうからです。)
信号線の出力電圧を測定

基準値  エンジン停止時  0.5〜1.0V
      アイドル回転時  1.0〜1.5V
           加速時  1.5〜4.0V
  電圧が上がると、混合気は濃くなります。
修理書では、基準値の幅が広くてほとんど参考にならないふだんから、良い状態の車両を点検して、目を養うことです。それが出来ない時は、同じような車と比較することです。

修理方法
  @熱線にゴミが引っかかっていれば掃除すれば直る。
  Aエア・フロー・メータの故障コードが出るような時は、   基板のハンダ割れの場合あり、修理可能。
  ※確率5割で修理可能です。
   交換する部品です。怖がらずに修理して下さい。
   修理方法はいろいろ自分で試して下さい。

信号線の出力電圧を測定

基準値  エンジン停止時  3.6V
      アイドル回転時  1.5V
           加速時  1.5〜3.6V

電圧が上がると、混合気は濃くなります。

点検のポイント

  @バキューム・ホースが破れてマニホールド圧力が漏れることがある。

  Aバキューム・ホースの中に異物が混入して、圧力が作用しなくなる。(オイル、グリースなど)

  Bエンジン停止時の電圧が3.6Vより低いと、信号線の出力電圧が全域で低くなり、希薄気味になります。
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