電子制御エンジン 故障診断の決め手
その8
総合診断
故障判断のポイント

系統別の点検要領を説明します。


1.自己診断装置
(故障コードの読みとり)
  FAINESを参照
1回目 2回目(消去後) 1回目のコードは、過去故障又は現在故障のいずれかである。
コード消去後の2回目に故障コードがあれば、現在も故障しています。
 (       )  (        )
 自己診断装置は、どれだけ故障診断の手助けになるのでしょうか。
異常検知の仕組みはどのようになっているのか。

 診断装置とは、予めECUにプログラムされた判断基準により、故障を判定して運転者に警報し、又フェイルセーフ機能という安全側に自動制御する機能も備えられている。
 判断内容は、センサの断線、短絡などの両極に固定した故障の診断は可能であるが、特性ズレの診断はできない。

 しかし、だんだんと診断装置が進化して、きめ細かな診断を行うように変わってきている。

 実際に整備士が整備できる箇所は、
 @センサの調整、修理、交換
 AECUの調整、修理、交換
 Bハーネス及びコネクタ端子の修理、交換 である。

  多くの整備士は@センサ、AECUの交換作業で解決している。
 しかし、この方法だとハーネス及びコネクタ端子の故障の時は、迷宮入りとなることが多い。
  又、もう少し努力をすれば交換でなく修理で解決が可能なものもある。

2.燃料系の点検
燃料系の仕組みは
 @フューエル・ポンプ、及びリレー
 AECU、及びエンジン回転信号
  (クランク角センサ信号)
@フューエル・ポンプ、及びリレー
AECU、及びエンジン回転信号(クランク角センサ信号)
Bフューエル・ポンプ・コントローラ及び制御信号
 FPCM(フューエル・ポンプ・コントロール・モジュレータ)を使用した車両は、フューエル・ポンプの回転制御を行い騒音の
低減を図るシステムであり、シーマなどの高級車、及びソアラなどのスポーツ・タイプに採用されている。
  @ポンプの故障現象は燃圧の低下又は常時停止及び時々停止がある。
  Aリレーの故障はポンプ常時停止及び時々停止がある。
  BFPCMの故障は@とAを合わせた故障となる。
 燃圧の触感による判断方法

 プレッシャ・レギュレータに手を触れて振動が感じ
られれば燃圧制御が行われている。
(ビリビリとバルブが開閉してリターン・パイプ側に戻る音がする。
ポンプから4気圧で送り3.0気圧以下に制御している)
2気圧以下であれば、レギュレータが制御しないのでバルブの開閉音がしない。(振動しない)
又、バルブが固着して異常高圧(ポンプ圧となる)の場合も音がしない。
普段から点検をして振動、音を体感しておくことです。
 もう1つの故障としてダイヤフラムのガソリン漏れがあります。
バキューム・ホースを外して見ると、ガソリンが臭いと言うものです。バキューム・ホースのイン・マニ側の取付に近いシリンダがカブリ現象を起こします。
 ガソリン漏れがひどい場合には、シリンダ内に溜まってしまうこともある。
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