電子制御エンジン 故障診断の決め手
その20
OBD診断器は必要である!
 
   故障診断器とは、どんな目的で使用するのでしょうか。
 多くの整備士は、故障を簡単に見つけ出す道具と思っている。

 しかし、たまには手応えのある難しい故障に遭遇する。
 この様な時に、診断器に頼る事に相成るのである。
 いざ診断器の登場となると、普段から使用していないので取扱方法がよく分からない。
 診断器のデータを見ても判断ができないなどの問題が生じます。・・・

  
私の思う診断器の利用目的とは・・・・・・ 
 1.技術力を高める道具である。
 
2.技術力を売る道具である。
 
3.感と経験と度胸が備われば、診断器を使わなくても故障は直ります。

 
その13では、上記の様に記載しましたが、最近の状況を見ると必要と認めなければならぬ。
 
1.警告ランプの消灯ができない。
 2.学習作業又は初期化作業ができない。
 3.サポート機能を使用しないと整備作業ができない。
 など、診断器がないと仕事ができなくなった。

 
 実例として、平成14年式、日産 ADバン VFY11 QG15DEエンジン
 警告ランプが点灯したとの事で入庫した。エンジンの調子は問題がない。良好である。
 自己診断機能により、故障箇所を発見しようとしたが、何の反応もなく、あえなく断念する。
 日産車は、平成12年度規制後の何年かの車両は、診断器だけの診断方法である。
 当然、故障コードの消去もできずに、警告ランプは点灯したままである。
 現時点で故障が発生していなくても、2回故障(2トリップ)が発生すると点灯したままとなる。
 バッテリー電源をOFFしても消去はできない。OBD診断器がないと消去できません。
 故障箇所を探究して部品を交換しても警告ランプは点灯したままです。
 OBD診断器は必要である!