最近の整備記録ーその88
車名 ハイエース 整備区分 噴射ポンプの交換
年式 平成6年 不具合状況 噴射ポンプの油漏れ
型式 KZH106 故障箇所 噴射ポンプ
エンジン型式 1KZ−TE 担当者 HK
整備レポート
点検作業項目 整備内容

1.噴射ポンプの取り外し




 

 












2.噴射ポンプの取り付け



 

 









3.エア抜き作業








4.トラブル発生





5.結論

  
  1KZ-TE噴射ポンプ交換作業手順書
1.取り外し作業(運転席側)
  ・タイミングベルト(合いマーク位置にセット後
  ・タイミングプーリ
  ・噴射ポンプドライブギヤセットナット

2.取り外し作業(車両下側)
  ・セルモータ
  ・噴射ポンプ後部ステー
  ・噴射ポンプ高圧パイプ

3.取り外し作業(その他)
  ・コネクタ及び配線
  ・燃料系の接続箇所

4.噴射ポンプ(プーラにより押出し)
  ・ポンプドライブギヤから噴射ポンプを切り離す作業

   予定通りに噴射ポンプの切り離しができれば問題ないの
   ですが、プーラにより押出しができなくて困ってしまった。
   通常の噴射ポンプはタイミングギヤを抜取る作業となると
   思いますが、1KZ−TEはポンプドライブギヤにキー溝が
   あり噴射ポンプシャフトと勘合しているため、押出して
   切り離す作業となる。

プーラは6mmボルト2本をスタッドしているため、今にも
切れそうな状態なので、これ以上は締め込めない。

しかたなく、噴射ポンプシャフトの頭をハンマーで叩くこと
にした。(シャフトにビニールテープを巻いて、ボックスレンチ
をあてがってシャフトの損傷防止)

ラジエータとの隙間でハンマーを打ち込む作業なので、
大きな叩き力を発生させる事ができない。
汗をかきながら1時間程叩き続けて、やっと外れた。

1.再生品の噴射ポンプ取り付け
  ・噴射ポンプシャフトのキーは、取り外したポンプと同じ位置
   になっているで、このままそっと押し込めばすんなり入る
   だろうと考えた。

  ・噴射ポンプ取り付けナット2個を均等に締め込んで噴射時期
   の合いマークを合わせながらセットした。

  ※ここで修理書を読んで手順確認することにした。

   外す前にタイミングプーリを前後に押して、ギヤのスラスト
   クリアランス(遊び)を確認するとある。
   (忘れた!)

2.スラストクリアランスの点検
  ・タイミングプーリを取り付けてスラストクリアランス(遊び)を
   確認すると、まるで遊びなしである。
  ・スラストクリアランスの点検は上死点位置から30度逆回転
   させた位置で点検するとある。
   つまりプランジャを押してない位置でシャフトの遊び発生
   状態で点検するものと思われる。

  ・修理書では、スラストクリアランスがない場合は、
   もう一度、取り外して最初から組み直しをするとなっている。

   もう、取り外し作業で、疲労困憊しているので、まあいいか
   と思い、このままにした。

 取り付け完了後
  ・プライミングポンプを手で押して、噴射ポンプの取り付け
   ナットを弛めてエアー抜き作業実施

  ・ノズルのナットを弛めてクランキングし、、エアー抜き作業

  ・エンジン始動したOKです。

 1週間程経過後(300km走行後)、突然不調になる。
  ・アイドル不安定(時々、100rpm位下がる)
  ・加速中に3気筒運転状態(1本死んだ様な感じ)
  ・何となく異音発生

 スラストクリアランスの点検で、遊びなしが、ずっと気に
 なっていた。

 もう一度、噴射ポンプを組み直す覚悟で、タイミングカバーを
 外して、点検すると、何と噴射ポンプドライブギヤセットナット
 外れている。
 どこかに落ちていないか、点検しても、どこにも見当たらない。
 もしやと思い、工具キャディを点検すると、何としたことか、
 ナットが残っているではないか。

 取り付けを忘れていたようである。

 スラストクリアランスの点検をした時に、プーリを何度か外して
 いるので、取り付けを忘れたようである。

 (叩いて抜き出しているので、ベアリング部の損傷が気に
  なっていた)

 ポンプドライブギヤセットナットを取り付けて試運転すると、
 今までの不調がなくなっている。

 音も静かになった。

 おそらく、ナットがない状態で運転したので、ギヤ位置が正規
 位置に落ち着きスラストクリアランスが適正になっていると思わ
 れます。